三本の毒矢
消費増税は熊本大地震で延期が確定したでしょう。
政権の三本の矢(金融・財政・成長戦略)は、時間稼ぎで今もって功をなしていません。政権の頭脳は言うほどのものではないといえないか。
ペラペラと言うだけで中身のない発言を繰り返す度、日増しに人相が悪くなって行くと、私が感じるのはなぜでしょう。
本人は、根が正直なのかもしれません。
財務省が昨年12月1日発表した7~9月期の法人企業統計で、資本金10億円以上の大企業がため込んだ内部留保は301・6兆円です。輸出産業は国内の消費税が還付(交付)金になります。
三本の毒矢で現政権が発足する直前の、2012年7~9月期の263・2兆円から38・4兆円もの大幅増加です。
これはどういう事でしょう。
無能な官僚と政権の脳梗塞症状が現れています。
全く血液が循環していないのです。病んでいるのです。
これは政権が事象を謙虚に目で聞き、耳で見ていない結果なのです。
二度とない時間をただムダに消費する、官僚政権の限界でしょう。
熊本大地震の「オスプレイ」仲良しごっこは、しょせん大衆向けの「プレイごっこ」でしょうか。
毒矢の実態は、13~15年までのアベノミクスの3年間のインフレ率(消費者物価指数総合から生鮮食品を除いたもの、消費増税要因調整後)の平均はプラス0.52%です。
10~12年の3年間の平均はマイナス0.43%だったのですから、緩やかではあるが上昇した。
しかし、実質国内総生産(GDP)成長率(四半期ごとの平均、年率換算)アベノミクスの3年間は、プラス0.68%と、10~12年の3年間のプラス1.39%から低下しました。
つまり、インフレ率は上昇したのに経済成長率は悪化したのである。
人々の所得が増加して、結果的にインフレ率が高まることは、多くの国民に歓迎されるでしょう。
しかし、金融緩和策で円安を起こし、輸入物価上昇を先行させながら物価を押し上げようとすると、まずは生活コストが上昇してしまいます(食品価格はこの3年で9.3%も上昇)。それは消費全般にいい効果を及ぼすはずがない。
これはアベ金融政策の限界が明確に見えてしまった3年間だったということができるでしょう。
政権の大企業優先の政策は、素人でもわかる政策であった。騙される私達はおバカさんそのものです。
日本の政権は、韓国の先行指標(サンプル)を観る通り、レイムダック現象が急速に進行するでしょう。
あなたは闘っていますか
司馬遼太郎氏の「昭和という国家」を購入しました。
敗戦の原因に日露戦争の勝利が影響しているとみられ、成功が失敗の元になり、昭和天皇の統帥権を軍部が利用して、くだらない戦争をし、なんとくだらない国になったのか・・。
明治維新と廃藩置県によって国民が創出されました。
しかし明治初年に新政府が創り出した国民というのは、法によって権利と義務が明確になった国民ではありません。
税金を取られるだけの存在でした。絵に描いたモチです。
それが実質を伴って明快になるためには、列国と似たような憲法を持ち、憲法下の法体系を持ち、法治国家を作り出すことによってしか生まれなかったのです。
当時の軍部も現代の財務官僚も、国民から税金を取るだけの存在としてしか見ていない実態が今も透けている。
そして国が滅んだのです。
統帥の府は「亡国の伏魔殿」だったのです。
三本の毒矢・あなたは闘っていますか 事務所便り2016年5月2日(月)No387