逆転の死角
「事務所便り」は2008年、平成20年6月2日の第一号から、今年10年で四百号超える版を重ねました。
行先を迷い見えないとき、私は古きを訪ねます。そして自分探しの旅をします。
これまで後から見える形で跡を残してきた事が、自分を勇気づけることに気付きます。
多くの先人が伝える本に学び、考え不条理の本質は、真の敵は、問題はどこだどうするを考え続けてきました。
権力や強者の闘いの行動は石川県民として当然、対応してきたと思っていますが10年余り、古希を超え自分に変化を感じます。これは気が少し長くなり、余裕で我慢できることですが、一般的にはこれを老化現象と言います。
誰でも非難はたやすいのですが、諦めない我慢は勝つために必要であります。
悪事であっても、行った行動力は何もしないより、善悪は別とし、プラス(経験・収穫)を多くしマイナス(損失)をプラスに転換すれば良いのだから、行動力(実験)の失敗から多くを学べばプラスです。逃げれば本当の失敗です。
失敗を求めるくらいの覚悟が丁度よいのですが、求めないのが楽だから殆どが逃げます。
これは失敗の経験不足でしょう。失敗大好き会社は希少価値があり、これが中小零細企業の弱者逆転の「白昼の死角」であります。
毎年決まった顧客で、長年同じ仕事をすると、無意識で思い込む「認知バイアス(霧)」に捕らわれます。
見えない部分自分も含め全てが変化しています。
会社(私)の品質は何か
会社(私)の強みは何か
チャンスがある領域は何か
社員は答えれますか。
売れる要素は、「だけ」です。
「ここ」「これ」「いま」の、だけのサービスです。
どれだけ会社(自分)は売れる商品の「素」(生産性)をどれだけ多く提供しているのでしょう。
なぜ私「だけ」が他と比べ、マイナスと思ってもプラスは普通何も思わないものです。
業績が停滞するのは、スタッフ社員を含めて会社ぐるみの大問題であります。
発信と受信は表裏一体ですからバランスが大切です。
トップダウンの組織体系で殿様と家来型は、敗戦のとっくの昔に終わっています。
誰も先の事、本当のことは分かりません。
学び知る
本は専門書以外の小説からも多くを学べます。
3月のEテレ・スイッチインタビュー三浦大輔さんと対談で植物(雑草)学者の稲垣英洋さんの「弱者の戦略」は哺乳類以前の世界から弱者が生存競争した進化の歴史を、経営に学ぶ良書です。
チャンスは、条件が少し悪いところにある。
戦略の極意、早起きは三文の得は、「ずらす戦略」で工夫が必要と説く。
農薬をまくと害虫が増える現実がある。環境を化学物質で変えるので当然弱い生物は死滅しますが、突然変異で進化し増えるのです。
地球は強いものと言われる種ほど絶滅危惧種です。
西洋の家紋に強い動物が並んでいますが、日本の家紋は強い動物でなく植物が多い。これは日本は西洋に遅れていたのでなく(産業革命は遅れました)、文化は百年単位で先に進んでいると見れます。
昨年12月に発行した高野誠鮮さん(羽咋市)と木村秋則さん(青森)の共著「日本農業再生論」講談社は蔵書の一冊だとおもう。金沢市立図書館にあります。
ただの反骨者ではない。世界の主流を築くべく人材。
TPPに勝つため農地の集約化を言う官僚は、日本のやり方ではない、大規模農業化と真っ向対立、本質的な戦いをすべきと看破しています。
石川県の至宝であります。
逆転の死角・学び知る 事務所便り2017年4月24日(月)No429