限定正社員と派遣社員・金のなる木 事務所便り2013年6月24日(月)No302

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限定正社員と派遣社員

 小泉政権から派遣社員が正社員に代わり導入され、会社の雇用(利潤)調整に活用されました。
 今回のアベノミクス新成長戦略で、さらに正社員に代わる第二の社員が導入されます。雇用の機会を増やすのではなく大企業の人件費削減と歓迎されています。
 企業は同じ職場で5年を超えて働く契約社員やパートが希望すると、無期雇用に切り替えなければならなくなった。
 限定正社員は同じ無期契約ですが、正社員が「企業全体の業績の著しい悪化」などの4要件【※注】を満たさなければ解雇できないのに対して、限定正社員は企業の業績が良くても、その地域から工場や店舗を撤退したり、その職種が必要なくなった場合、企業の判断で解雇できるようになります。

 なぜ、経済界はわざわざ国に制度化させたいのでしょうか。

 解雇の規制緩和は財界の悲願です。現行制度で企業が個々の社員と解雇ルールを定めた契約を結ぶことができるといっても、裁判などで覆える可能性が高い。だから国に限定正社員を制度化させ、“クビにしてもいい”というお墨付きが欲しいのです。

 大企業は現状では転勤を望まない中高年や女性の正社員を対象に、転勤のない限定正社員化を勧めている。社員は給料が下がるだけでクビになることはないと思っているが、国の限定正社員ルールづくりに乗じて、そうした正社員からの転換組のクビも切ってしまえるようにしたいと考えている企業が多いのです。

 これを大企業の話として見ていると大間違いです。成立すれば一瞬で地方企業の派遣社員のように浸透します。

【※注】
「人員整理の必要性」、「解雇回避努力義務の履行」、「被解雇者選定の合理性」、「手続きの合理性」の4つ。
これは79年に東京高裁判例で示された。

 アベノミクスは、奈落の底に引きずり込んだ、小泉政権時どこが違うのでしょうか。
社会を破壊する利益優先の規制緩和は、自然破壊と同じに見えてきます。
「美しい日本」でしょうか。
 

金のなる木

 グローバル資本主義経済です。
70年代、日本型経営は一端世界制覇しましたが、欧米の深刻な危機意識で、復活の戦略が戦勝国で組み込まれた。
 この少子化も民族浄化の戦略に見えてこないでしょうか。いったい木を植え育てる戦略が我が国にあるのでしょうか。
 戦後政権の追米政策がここに来て完全に破綻したと言えるでしょう。
すでに冷戦時代は過去です。
 今回のアベ成長戦略、第三の矢は官僚丸投げです。これでいけるという感覚にほど遠いのです。
 その前に大きく財政問題が立ち塞がっています。
消費増税では国民の明日が良くなる実感は期待できません。
 アベは私たちの米びつに手を入れてくるのです。「ほしがりません勝つまでは」との違いが少ない。任せた結果です。
 7月の参議院選挙の結果が日本の将来に大きく影響します。
議員に将来を丸投げ人任せではいけません。
 各地方議会で議員各人の発言内容を議事録で確認すべきです。「金のなる木」になってもらうためにです。

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