未来に希望・戦い競う争い 事務所便り2013年2月12日(火)No289

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未来に希望

 安倍政権の3本の矢は、金融政策、財政政策、成長戦略を指しています。
金融政策は量的緩和策の拡大、財政政策は補正予算を含めた大型予算の執行、残るは成長戦略です。
 三つが機能的にかみ合って2%の物価目標がインフレ転換の絵に描いたお題目?、期待しますが、歴史的に見て意識構造からも成長戦略の未来像が前と同じ、簡単にいかないと危惧する。

 デフレ脱却で1931年に高橋是清が行ったことは3つ。
 1つは、日銀に政府が発行した国債を買い取ってもらうこと。
 2つは、買い取ったお金を財源として、積極的に財政出動を行うこと。
 3つは、金本位制度を離脱することでした。
高橋は、この当時未発表のケインズの有効需要を直感的に先取りしていた。
そして当時の人に不況脱却のために財政出動の意義についてわかりやすく説明していた。「緊縮政策と金解禁」昭和11年4月「随想録」の抜粋。
 ある人が待合に行って2千円のお金を使ったとする。
道徳上の非難はあろうが、待合遊びをして芸者をよんだり贅沢な料理を食べたりするのも、国民経済的には、料理人の給与が増えたり、さらにそれが食料品の生産者や輸送業者や商人の収入となる。
芸者の収入も、食料、納税、衣服、化粧品等々になって、そのお金は転々として農工商漁業者の手に移り、それがまた、諸般産業の上に20倍、30倍にもなって動く。
待合遊びをやめて2千円を貯金したならば、そのお金の効果は2千円を出でない。
緊縮財政によって、現在進行中であった国会議事堂、内務省、警視庁等の建設工事も現在中止されているが、進行中の仕事を停止すれば、まず請負人が、またこれに従事する従業員が仕事を失い、ついで彼らの購買力が減少し、建設に関係ない生産者も将来における需要の減少を心配し、自分の現在雇用している労働者を解雇し、その結果一般の一大不況を招来するにいたるだろう。
 高橋の財政出動の結果、1932年にはマネーサプライ(通貨供給)が増加し、総需要が増し産業界は息を吹き返した。この高橋財政により日本はいち早くデフレから脱却した。今回は同じ手法で国債残だけが増える金融政策であってはならない。右肩上がりの経済成長はエネルギーや産業構造の転換なくして、これまでを繰り返すTPPのコピーでは一歩も前に進まない。
 生活の将来不安が存在する限り、日本はデフレから真に脱却ができない。庶民を豊かにしない政策は邪道。
 どんな政権であっても、日本が世界に君臨する気概だけは、失なわないでほしいものです。
 

戦い競う争い

 戦争にルールはない。最終目的が勝つことです。競争はルールの下で行なわれます。
 戦争で一番難しいのは、始めることだと言います。如何に始めるか9・11の対イラク・アフガニスタン・ベトナム・日中・日米開戦等々見れば大差はない。
 世界で行われている経済活動は競争の仮面をかぶった戦争です。中国を見ても日本もODAと称し粉飾をしている。同じようなものです。
 日本はアメリカと「経済戦争」をしていると誰も思っていない。
TPPは米国の中国経済包囲網。日本は独立国として、国益が最優先のハズ。
中国指導者は日本を試します。
今後は「海猿」でなく自衛隊と中国軍のステージです。数百の核ミサイルが日本の主要都市をロックしていると聞く。襲撃やレーダー照射のチキンレースは中国の奢り覇権主義です。恫喝は交戦前夜まで行くでしょう。
 競争の場合はフェアプレイとモラルのルールがある。しかし「経済競争」の言葉はこれまで一度も聴いた記憶がない。
経済も戦争。属国のポチではどうしましょう。
日本の未来は信用が資本です。

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