サピエンス全史・暴力装置の制度 事務所便り2017年1月23日(月)No416

サピエンス全史

資本主義について、本のなかで「経済成長は永久に続くという資本主義の信念は、この宇宙に関して私たちが持つすべての知識と矛盾します。

獲物となるヒツジの供給が無限に増え続けると信じているオオカミの群れがあったとしたら愚かとしか言いようがありません。

それにもかかわらず、人類の経済は近代を通じて飛躍的な成長を遂げてきました。

それは科学者たちが何年かおきに新たな発見をし、斬新な装置を考案したりしてきたおかげ」で、イノベーションを起こし、新しい需要を創出したことで、資本主義を持続させてきたのです。

「未知の領域を研究するための投資をしよう。その結果、何か有益な発見ができれば、巨万の富が手に入る」等の「探検と征服」、「侵略と野望」の精神構造は、中世からヨーロッパ人の専有物でした。

第二次世界大戦中の1942年6月、日本がアラスカ州アリューシャン列島のキスカ島とアッツ島を占領した。それまでの15~19世紀の間、東洋の帝国中国も、どこもアメリカ大陸の一部を征服するため部隊を送ったことがありません。

その意味で、日本軍部隊を送ったキスカ島とアッツ島攻略は、唯一歴史上特別な出来事でした。

著者のハラリ氏(イスラエル)は、未来を切り開くカギは、私たち人間が「欲望をコントロールできるかどうか」だとしています。

目の前にある最先端の科学技術に飛びついてそれをただ進化させるのではなく、未来にどういうことをやりたいのか、計画をたてて開発をしていくべきだというのです。

そのためにもハラリ氏は、政治家の果たす役割が大きいと述べ「重要なのは政治が科学と技術の進歩について、もっと認識することです。私たちはもはや、この政治と科学をわけて考えることはできない。

21世紀にどんな未来を過ごしたいのか、しっかりとビジョンを持ち、幸せな道に進む賢い選択をするには、政治と科学がもっと近づいて協力しあわなければならない」と取材陣に語っています。

私達人類は、以前より幸せになったか?経済成長と自立が人々の幸せを増大させないなら、資本主義にはどんな利点があるのか?

石器時代から、我々はどれだけ幸せになったのか?、マンモスを仕留めた時の感じた、あの熱狂的な興奮と幸福感と喜び(スポーツやカジノの比ではない)は、今でも確実に遺伝子の記憶に残っています。

暴力装置の制度

自民党の竹中平蔵と小泉内閣が推進した雇用形態の多様化により、日本の家族形態が一変、雇用の6割の非正規雇用形態で、日本全体の名目賃金が低下しました。

しかも、先進国で唯一の少子化であります。

非正規雇用の低賃金は家族形成が不可能な状況に追い込んで、さらに権力者(官僚)はそれを個人の責任に転嫁しているのです。

雇用の多様化自体は、派遣会社が個人を管理し、国民を窮乏化させるための新たな装置す。単純に言えば中間搾取、昔の手配師の企業化です。

労働者を集め管理し派遣で、企業は雇用責任を回避できるシステムです。

ナンバー制度は韓国で既に導入済み(相次ぐ個人情報の大規模漏えいと、成りすまし)ですが盛んに利便性や綺麗ごとを宣伝しています。管理責任を企業や個人に負わせ、法という暴力装置によって正当化し自らは当然蚊帳の外です。

また、既に税務署職員の士気と調査能力は、回復不能の状態を呈しています。

ナンバー制度は、国民からの収奪装置、消費税導入と同じく唯一無二の手段です。

パイが縮小する危機感と、近隣諸国の排他主義でナショナリズムが溢れ出す海で、日本丸船底の空いた穴を若者と共に塞ごうではないか。

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