不安心理・新自由主義の時代 事務所便り2016年12月5日(月)No411

不安心理

事業で損切りできない心理を説明する話です。

儲かると上昇を信じて投資をして投資後に下落するという矛盾に直面したとき、生ずる不安を解消するためどちらかの事実を否定して、矛盾を解消しようとします。

多くは下落を否定しまた戻すと、失う時間も考えずに損切りできなくなる。

ところがこの認知的不協和は東アジア人には当てはまらない。

「北米と東アジアの被験者を用いた同じような異文化間の心理学研究により、多くの思考スタイルの違いが明かされた。たとえば、認知的不協和〔矛盾する考えを同時に抱くことによってもたらされる不安〕といった、かつては人類共通と考えられていた心理現象が、非欧米人〔とくに東アジア人〕にはあまり見られないか、まったく見られないことがわかった。また、他の研究から、注意、記憶、知覚といった基本的なプロセスの違いが明らかにされた。例えば、東アジア人は事物の位置関係の記憶に優れているが、欧米人は単体の特徴の記憶に優れている。心理学者のリチャード・ニスベットらは、こうした東洋と西洋の違いはある特徴によって説明できると主張した。東アジア人の思考スタイルは「全体論的」で、欧米人の思考スタイルは「分析的」だというのだ。」

社会が異なれば人間の心理作用も大きく異なります。

損切りできない日本人の心理は、災害に対するあきらめに近いものかもしれない。

日本人は自然のあちこちに神を宿すのが特徴で、地震や台風、火山の噴火などの自然災害も神様のやることだから…というように、どこかであきらめるようなところがある。

ギリシア哲学以降、神・自然・人と切り分けて考え西洋人は、将来に対するリスクを積極的に制御支配しようと試みる。

一方、日本人は歴史的に将来のリスクに対する備えの意識は希薄で、災害が起きれば、せつないね、はかないね、と受け入れ和歌に悲しみを詠み、お茶をたてて心を落ち着けようとする。

何か行動を起こそうとして損切りできないのではなく、起きてしまったことをただ眺め、受け入れていくだけなのかもしれません。

「文化進化論・ダーウィン進化論は文化を説明できるか」著者アレックス・メスーディ

新自由主義の時代

かって私たちは、小泉・竹中路線(2001年~2005年)で弱肉強食のグローバル化資本主義(構造改革)を容認しました。

非デカルトの新時代が始まっている。

学歴や資格や会社に頼っている人に、未来がない。

国家資格でも、「食えない」のが当たり前、底なし沼の時代なのである。

安心の時代は遠い昔に終焉した。

グローバル化の、構造改革は、企業が簡単に従業員の首切をする為と明確に浮かび上がっています。

改革で自分たちの賃金を削減し、仕事を奪い社会を荒廃させることに気付いていない人が多い。

弱肉強食のグローバル化がわが国では、ブレーキが効かず暴走しています。

企業は、人件費が最大のコストですから、グローバル化は「コストの安い」所(国)に集約します。

安倍の言う「同一労働、同一賃金」は、賃金が世界の一番安いところに合うまでが、日本グローバル化の到達点です。

増して財界から日本の賃金は生産性が低く、まだまだ高すぎるといわれています。

やがて新興国並みの同一賃金と消費増税で、まさに生活破壊と若年層の過労自殺が静かに深く進行しています。

学歴や資格や会社を頼る人に、未来はないです。

あなたは生き残れますか?

PDFファイルはこちら

Follow me!