本年経済の見立て 事務所便り2016年1月8日(金)No381

本年経済の見立て

誰も、願いはあっても今年は昨年より良くなると実感する人は少ないと思います。

これは欧米列強のグローバル金融資本が我国の国富を誘い出し、年金積立金の運用ゲームに観る通り、一時に8兆円の損失、食い物にした官僚は、人の金で責任問われないのですから現世における天国です。

「敵は本能寺にあり」です。

これまで失われた20年から離脱した実感がないのですから当然です。

人間は動物ですから、強いリーダーについていくことを好む傾向があります。

現実的に国民一般は政府や役所に対し期待や要求をします。

それからすると国を治めるには強い首相が采配を振るうことで、政府が目標を打ち出し、そこに国民を導くことが重要です。

安倍首相もいよいよ4年目となり、アメリカとの絆をよりはっきりさせ、中国から一目置かれる形が出来ました。

この選択は、中国の驕り、意識的なフライングによって仕向けられたものですが、この力関係は日本にとって重要な意味を持ち、今の不要な緊張感を取り除くことにつながっています。

本年の経済専門家の見立ての為替予想では、見事に割れています。一つはアメリカの利上げで円はさらに安くなるとみる教科書的発想と、ドル安に伴う円高予想派であります。

円は国際通貨ながら、ドルなどの動きに反応しやすいと言ってよいでしょう。よってアメリカの景気予想が悪化したり世界情勢が不安定になれば、これまで安全通貨として円が買われることになる。

結果専門家の本年株式市場の予想は弱気がかいま見えます。

ただ、円が高くなるならば海外企業の買収を進めやすくなりますので企業の業容拡大にはプラスに働きます。

問題は日本企業が進めたい海外企業の買収も海外で活躍できる人材が枯渇しており、問題は高額の買収をしても成功しないケースや、十分な成果が生まれていないことです。

日本の失われた20年で本当に失ったものは何でしょう?それは人々の考え方。それまでの高度成長からの奇妙な成熟感、そしてデフレに代表された萎縮であり、冒険(失敗)をしなくなった姿勢が、これこそ大失敗でした。これはちょっとしたことに対しての防御心と、外部や人のせいにする責任転嫁が蔓延しているからではないでしょうか?

日本は内需拡大に限界が発生しており、本来ならば海外に打って出なくてはならないのですが、ところが過去20年間に日本人は海外で汗をかく勇気を忘れてしまいました。日本は海外で活躍できる人材が限られ、中国と異なり自国のマネージメントを展開できず、買収効果や海外進出による拡大が十分に達成されていません。

「政権が作り出す国民性」は無視できない。より安定して力強い政府は日本を前向きに転換していくでしょう。そういう意味から安倍政権の様々な努力をもう少し素直に受け止めるべきなのかも知れません。

「一億総活躍時代」の意味は日本の人口、高卒までの二千万人が勉学に専念すると計算して、除外するとぴったり1億人になります。

言い換えればいま18歳以上の人は死ぬまで活躍する時代を意味しています。

これは我々日本人に真の意味のリタイアがもはや存在しないのだと言えます。

会社を辞めて第二の人生を通じ、男も女も社会に能力を還元し続けなくてはならない新たな時代に突入したのです。

女性は年齢とともに社交的になれますが、高齢化を迎えた男性は如何に外に出ていくか、というチャレンジではないでしょうか?

それにはやはり仕事や趣味、奉仕など一定のやりがいを持つことだと思います。

人と接触すると刺激が生まれ元気が出ます。

元気な高齢者が増えれば医療費も削減でき、日本の財政にも優しいことになります。消費税引き上げ反対と叫ぶより、まずは高齢者は元気になろうとする気合でしょうか?

マイナンバー・消費税反対はそれからですか?

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